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 県北で自動車関連産業の集積が急ピッチで進んでいる。トヨタ自動車が3月、車両製造子会社「セントラル自動車」(神奈川県相模原市)が移転する大衡村の新本社工場の隣接地を取得した。関連企業の進出や周辺道路の整備も新工場稼働に間に合い、トヨタが掲げる「東北を国内第3の生産拠点にする」という計画は着々と進行しつつある。【鈴木一也】
 ■土地取得で布石?
 大衡村の「第2仙台北部中核工業団地」に今年1月、セントラルの新本社工場が完成。その約2カ月後の3月25日、トヨタは工場の南隣の土地を県土地開発公社から取得した。面積は新工場とほぼ同じ約44ヘクタールで、工業団地全体の約157ヘクタールのうち、トヨタグループが大部分を取得した格好となった。
 土地の用途はまだ明らかにされていないが村井嘉浩知事は取得直後の定例会見で「トヨタが東北を一つの拠点にすべく、戦略的な視点から購入した土地だと考えている。非常に喜ばしいこと」と期待感をにじませた。
 セントラルの年間12万台の生産能力強化が目的とみられている。トヨタは東北を中部、九州北部に次ぐ国内第3の生産拠点にする方針を明言しており、今回の土地取得はその布石と言えそうだ。
 ■関連企業が続々
 セントラルの新本社工場は11年1月の操業開始を目指しており、それに合わせた関連企業の集積が進んでいる。西隣には車両用シートを生産する「トヨタ紡織東北」(岩手県北上市)が、5?7ヘクタールの土地に新工場を建設。セントラルと同時稼働を目指す。
 このほか、大和町にトヨタ自動車東北と、ハイブリッド車用電池製造会社「パナソニックEVエナジー」▽大衡村にトヨタ系部品メーカー「アイシン高丘東北」▽栗原市に取引先部品メーカー「太平洋工業」??の新工場が集まった。
 部品やエンジンの供給体制が整い、同じトヨタグループの「関東自動車工業岩手工場」(岩手県金ケ崎町)と合わせ、最大で年間50万台にも及ぶ生産体制が出来上がった。
 ■行政も全面支援
 周辺の環境整備も着々と進んでいる。仙台北部道路の利府しらかし台インターチェンジ(IC)?富谷ジャンクション間が、3月27日に開通。工業団地から仙台港への所要時間が10分近く短縮された。工業団地近くでは大衡ICが10年度に供用開始予定で、アクセスがさらに良くなる。
 相模原市からの従業員移住にも備える。約1400人のセントラル従業員のうち9割以上が宮城移住を希望しており、県は工業団地のすぐ近くに住宅地を造成中。転居は今秋以降に本格化するとみられる。
 ただ、日本航空が現在1日2往復運航している仙台?中部便の廃止を検討中とされており、トヨタ本社がある愛知県との行き来に影響する可能性もある。県自動車産業振興室は「全日空が1日4往復しているので、それほど大きい影響はないのでは」としており、当面は推移を見守る方針だ。

4月8日朝刊

【関連ニュース】
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引用元:売買 不動産 | 大分市
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